2020
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中性子過剰核におけるエキゾチックなクラスター構造
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講師名 板垣 直之 氏 (京都大学基礎物理学研究所) |
12月8日(火曜日) 16:25- |
on the Zoom |
安定な原子核よりも中性数の多い「中性子過剰核」の構造が実験・理論ともにさかんに議論されている.
中性子過剰核では,クラスターと呼ばれる原子核のエキゾチックな構造が,付与した中性子によってより安定になる可能性が指摘されている.
クラスターとは,α粒子など結合の強いものが原子核内で部分系を形成する描像であり,中性子過剰核では,
いくつかの中性子が複数のクラスターの周りを運動することで,系全体を安定化させる.
本セミナーでは,中性子の付与に加え,さらに系に回転を与えることで,
クラスター構造をより安定化できる可能性を議論する.
例として,3つのα粒子が部分系を形成する炭素同位体の励起状態などを取り上げる.
そこにおいて,クラスター構造を安定化させる中性子の軌道が,
系の回転によってより安定となる相乗効果を紹介する.
このような状態を分析する理論としては,これまでクラスター模型による分析が行われてきたが,
最近,幅広い原子核へと適用可能な最も一般的な理論である密度汎関数法による分析もさかんに行われてきており,
両者の協働について紹介する.
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核分裂を通じて学ぶ原子核の基礎理論
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講師名 湊 太志 氏 (日本原子力研究開発機構,研究副主幹) |
12月8日(火曜日) 16:25- |
on the Zoom |
原子核の核分裂は,歴史的な背景から負の側面を伴いつつも,主にエネルギー利用の観点で社会に利用されてきた.
しかしながら近年は,宇宙元素合成や非破壊分析,医療用RI生成,長寿命核分裂生成物の消滅処理など,
核分裂を通した様々な応用研究開発が注目されており,その詳細な理解がこれまで以上に求められている.
また核分裂は,様々な原子核反応と崩壊を伴う現象であり,
学生が核物理学の様々な側面を学ぶうえで格好の対象でもある.
本講義は,核分裂を通じて核物理学の最先端研究に触れる機会を学生に提供し,
核物理学の基礎知識を高めるためのものである.
また,原子力利用が潜在的に持つ課題をより深く理解するための基礎知識も提供する.
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