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"エクスクルーシブDrell-Yan過程\(\pi^{-}p\rightarrow\mu^{+}\mu^{-}n\) のQCDメカニズム"
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講師名 田中 和廣氏 (順天堂大学) |
1月25日(木曜日) |
場所 理学部棟A304 |
J-PARCでの実験が検討されている高エネルギーエクスクルーシヴ過程\(\pi^{-}p\rightarrow\mu^{+}\mu^{-}n\)については、\(p\)および\(\pi^{-}\)からのクォークと反クォークの対消滅によるDrell-YanメカニズムのQCD因子化に基づく計算があり、散乱断面積は一般化パートン分布関数(GPD)で表される。その一方で、QCD因子化の枠組みでは扱えないソフトなQCDメカニズムの寄与がJ-PARCのエネルギーでは無視できないことを、光円錐QCD和則を用いた評価を示して議論する。
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"最適化問題としての符号問題"
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講師名 大西 明氏 (京都大学基礎物理学研究所・教授) |
12月12日(火曜日) |
場所 理学部棟A314 |
符号問題は現在の理論物理学における大問題の一つである。
例えば格子QCDは強い相互作用の第一原理計算であるが、
バリオン密度が有限の領域では、ボルツマン因子が複素数となり、
その積分(=分配関数)をモンテカルロ法で求めるとほぼゼロになってしまい、
精密な計算が困難となる。近年、積分変数の複素化により符号問題を
弱める、あるいは回避する方法(レフシェッツ・シンブル法、複素ランジュバン法)が
提案されているが、作用の特異点が実軸近辺に現れる場合には困難が残る。
我々は最近、符号問題を複素化した積分経路の最適化問題として捉える
「経路最適化法」を提案した。経路最適化法では、作用(S)が発散する場合でも
ボルツマン因子(exp(-S))が発散しなければ問題は起こらず、また必要に応じて
経路を制限することにより特異点を回避することも可能である。
このセミナーでは経路最適化法を導入し、これを1次元模型、
および1+1次元複素φ^4理論に適用した結果について議論する。
後者ではニューラルネットワークを用いた最適化を用いており、
符号問題への機械学習の応用についても言及する。
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