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2013

高温・高密度クォーク物質での非一様カイラル相
巽 敏隆 氏   (京都大学)
10月22日(火曜日) 14:40-
理学部A棟3階 A314
高密度星の現象や高エネルギー重イオン反応を用いて高密度/高温状態での QCD物質の存在形式が調べられている。理論的には高温・高密度のQCD相図としてクォークの非閉じ込めおよびカイラル対称性の回復が起こることが議論されている。 カイラル対称性は低温の真空では自発的に破れているが、密度効果、熱的効果によって回復する一種の相転移(カイラル転移)が起きることが示唆されている。 このとき秩序変数としてはスカラー型のクォーク・反クォーク対の凝縮関数が考えられており、クォークの質量はこの量に比例している。 通常系の空間的一様性が仮定されており、凝縮関数は空間的に一定である。最近の研究ではカイラル転移近傍において非一様な凝縮関数を有する 非一様カイラル相が出現することが議論されている。この時NJL模型を用いると従来のカ イラル転移の臨界点はリフシッツ点と呼ばれる三重点と正確に一致することがわかる。このような空間的非一様性を持つ秩序変数は決して特殊なものではなく、 凝縮系の物理では超伝導におけるFFLO状態や磁性体でのスピン密度波などがよく知られている。ここでは非一様カイラル相の性質、相転移の物理的機構などについて最近の研究を紹介し、 現象としてどのように見えるのかを議論する。

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